六月活動記録

くっすん大黒 (文春文庫)

くっすん大黒 (文春文庫)

六月は初めて村上龍町田康にふれ、新鮮な感触を味わいながら、薄い本をパッパッと三日・四日くらいで読んでいった。そんな月だった。一年以上積んでいた「プシュケの涙」「太陽の塔」も読んだ。先日ブックオフで買った伊藤たかみ、僕は「八月の路上に捨てる」という話が大好きで、初めて読んだのは高校三年の頃だったが、それ以来他の伊藤たかみの著作を手に取ったことはなかった。二作、「17歳のヒットパレード」は彼がいまだ若く瑞々しい感性のみを武器に書いていた頃のもので、「誰かと暮らすということ」は時の流れに身を委ね、手の甲に皺を重ねた老練の刻みを感じさせるものだった。もっとも衝撃的だったのは、町田康だ。「くっすん大黒」「屈辱ポンチ」はどちらも素晴らしい本だった。僕にとっての何らかの呼び水になってくれそうな気配さえするし、そうあってくれればいいとも思う。

映画も一週間に二本のペースで観れた。青山信治の北九州サーガである三部作(「Helpless」「ユリイカ」「サッドヴァケイション」)を観終えたこともひとつの達成ではあったが、「バッファロー'66」が記憶に鮮明に残っている。多くの視点から見てもこの映画はいい映画だった。これほどいい映画というのは僕にとっては珍しい。主人公を始め、いくつもの役職(監督・脚本・音楽・主演)を監督であるヴィンセント・ギャロが演じているらしい。神経質そうな演技が作中で映えていた彼にはありえそうなことだと僕は心の中で軽くほころんだ。「バッファロー'66」は終盤で音響とカットのセンスのよさが一段際立ったところがあるのだが、「鮫肌男と桃尻女」にも同じように感じた箇所があった。浅野忠信が好きだなと思った。僕は俳優に興味を寄せることはまったくといっていいほどないのだが、彼はとてもいいなと思った。

アニメは俺ガイルの二期を観た。とてもよかった。話の途中で終わったという感じが強いので、三期も早々に制作されることを願っている。



<読書>7冊
・6/3 限りなく透明に近いブルー村上龍
・6/9 くっすん大黒(町田康
・6/12 17歳のヒット・パレード(B面)(伊藤たかみ
・6/15 屈辱ポンチ町田康
・6/19 プシュケの涙(柴村仁
・6/22 誰かと暮らすということ(伊藤たかみ
・6/25 太陽の塔森見登美彦


<漫画>0冊


<映画>8本
・6/1 青の光線(西原孝至)
・6/3 バッファロー'66 (ヴィンセント・ギャロ)
・6/7 ウィークエンド(ジャン=リュック・ゴダール
・6/11 EUREKA ユリイカ青山真治
・6/13 トレインスポッティングダニー・ボイル
・6/17 サッドヴァケイション青山真治
・6/21 テレビばかり見てると馬鹿になる(亀井亨)
・6/29 鮫肌男と桃尻女石井克人


<アニメ>
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続(1クール)