「佐々木俊尚が5人の若者に聞く『21世紀の生き方』」のメモ

現代ビジネスというサイトの、「佐々木俊尚が5人の若者に聞く『21世紀の生き方』」という五回にわたるインタビューを読みました。この先を生きる僕としては頭に入れておかなければならないことだとも思ったし、あまりしっかりと正確に聞いたこともない話だったので、ここで少し自分なりにでも(後々のメモとしても)まとめようかと思ったわけです。単純な要約になってしまいましたが、大事だと思ったところを抜き出してみた感じです。ここでさらっと見て、気になった方は是非リンクからサイトに飛んで確認してみてくださいね。
では第一回から順に見ていくことにしましょう。


第1回「ノマド、シェア、そして家もいらないーー私たちはこんな生活をしています」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31596

ここでは主に五人の紹介とともに各人のノマド的なあり方に対する思いがメインとなっています。
米田智彦さん(コンテンツディレクター/編集者)
⇒つながることが前提の世の中が当たり前になってきている。つながることが前提ならば、リアルな住む場所や出会うといったことがメディアやエンターテインメントのコンテンツになるだろう。そのため今は実験的に「ノマドトーキョー」を立ちあげ、ソーシャルメディアによる人の繋がりを軸にした企画を行なっている。そこでシェアハウスの実態も見えて来た。

玉置沙由里さん(ライフスタイルクリエイター/ブロガー)
⇒2010年から、個人を基盤に情報発信ができるようになり、自分で直接顧客を見つけ関係をもっていくことができるようになった。新しい社会(第8大陸)が出来あがってきているので、今は冒険的な姿勢をもって実験的に行動していくのが大事。

安藤美冬さん(株式会社spree代表取締役/コミュニケーションデザイナー)
ノマドではなく、サテライトという言葉を使っている。(会社組織などのコミュニティを惑星として、それに対して個人で生きていく人間としてのサテライトというイメージ)。それには「テーマをもって複数の仕事をする」「ノマド的なあり方をする」「ソーシャルメディアを使った発信とセルフブランディング」という三つの軸がある。

大石哲之さん(著述家/経営コンサルタント)
⇒今までの自分のやり方に合っていないからと言って抑制することなく、とにかくどんどん様々な仕事を行なっている。

phaさん(ギークハウスプロジェクト提唱者/ニート)
⇒インターネットやtwitterがあれば、収入も得られるし、人とのつながりの維持も出来ると思った。

佐々木俊尚、まとめ
⇒1960年代生まれの世代は「いろんなことをやらずに、ひとつのことに集中してやれ」と教え込まれてきたが、今はそうではなくなってきている。むしろ何か一つ専門的なことをするのではないため、リスク分散にもなっている。専門家としての肩書が前に出てくるのではなく、その人そのものが強調されるという転換が起こっている。


第2回「ぼくたちはこうして会社を辞め、いまの生活をはじめました」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31597

■やりたいことをやればいい。
自分の領地を耕すことの重要性。情報発信はコンテンツとして切り売りできない。自分というキャラクターと人とのエンゲージメントを生んで、そこからお金が発生してくる。

■人生の時間軸を横に倒す。
縦軸の人生(企業にひたすら奉仕して、定年になったら好きなことをして余暇を過ごす)を横に倒す。仕事も引退後にしたいことも同時並行してやっていく。この場合、莫大なお金を得ることはできなくなるけれど、それでもしたいことができるのならそれでいいのではないか。

日本は生活文化の質が高く、それに昔よりも生活にかけるコストが下がっている。その中で、模範的なレールが用意されそれを選択するといった形だったのが、それらが潰れてきて逆に、ある程度の満足感を得るやり方が浮き上がってきている。


第3回「『日本は』『日本人は』なんて大きな主語の議論をやめて、個人をベースにものを考えよう」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31598

■個人が日本を背負う必要はない
ノマド的なあり方は個人としてコミュニケーション能力もあって優秀だからこそできるのであって、そのあり方を推し進めることは個人間の分断を進めるだけではないのか。
 ⇒割り切って、個人ベースで考える。
or⇒トライブ(部族=集知的に自分の周りにできた公共的で並列な集まり)は背負うことになるのではないか。

ではそのトライブは、かつての「ムラ」やムラ的な企業社会のような中間共同体(個人と社会全体間のワンクッション)に代わりえるのだろうか? シェアハウスなどはまさにその形にも見受けられる。


第4回「ソーシャルメディアがもたらすweak tie というネットワーク」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31599

■ソーシャル断捨離のすすめ
膨大なネットの情報をそのまま享受するのではなく、自分にあったものを取捨選択することが大事。
ソーシャルメディアの二つの方向性
「広場型(ex.mixi)」:書き込む場所がなくて皆が集まる。(strong tie)
「フィード型(ex.twitter)」:コアとなる部分がなく、個人と個人が網の目のように繋がる。(weak tie)
これはリアルな人脈にとっても言えることで、ノマド的なあり方で強調されるのは後者。


マネー的にもソーシャル的にもリッチじゃない人はどうすればいいのかについては、周りのみんながある程度分け与えることで解消されるのではないか。それはベーシックインカム的なことを政府ではなく個人単位で行なうと言うことである。

■ネットは中間共同体たり得るか?
中間共同体=社会と個人の間のワンクッションで例えば、自分がお金を失ったときに守ってくれる人がいるかどうかというようなこと。(会社の同僚、大きな家族。)
⇒ネットは情報の流通だけではなく、weak tieを束ねることで中間共同体になる可能性も多いにあり得る。

weak tieを束ねる⇒アソシエーション(結社:何らかの目的があって人が集まる)

■段階的人間関係の構築
アイデンティティの複数性によって段階的な人間関係がつくりやすくなっている。(twitterでの関係を絞り込んで、facebookではもっと絞って、リアルでは更に洗練するといったような。)
また、別の観点からすると目的によって組み合わせを変えられると言ったことも出てくる。それは目的に依って集まっているために同調圧力が支配する場というよりは、自然発生的なものになるだろう。、


第5回「ぼくたちが考える『幸せ』、そして『喜び』」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31600

■「幸せ」って何だろう?
 ⇒押しつけられたものじゃなく、自分で見つけていくもの。ステレオタイプから降りるあり方。
or⇒「喜び」(困難な課題をクリアする)と「幸せ」(共同体に承認される)のバランスを取るのが大事。

■多様な選択肢としてのノマド
ノマドはエリート主義から抜け出せないのか。
⇒考え方として広め、こういう選択肢もあるということを提示する。またはweak tie中の弱者を助けるアクションを起こしていく。

ノマドというのは、仕事や住まいに自分を合わせるのではなく、自分に環境を合わせていくあり方で、ある意味自律とも言いかえられるのではないか。



以上です。主要な点をまとめてみましたが、自分自身ハッとする部分がありました。
「ただ考え無しにネットの情報を消費するのではなく、何か意識をすることでそれが自分のあり方にダイレクトに届くものに変わる」ざっくり言えば、僕はこういった印象を受けました。