死月。

4月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1238ページ
ナイス数:20ナイス

1973年のピンボール (講談社文庫)1973年のピンボール (講談社文庫)
繋ぎ目のような一冊ではあったけど、心に染みいるような哀しさとあとに何も残らないような静けさがあった。
読了日:04月22日 著者:村上 春樹
憂鬱なハスビーン (講談社文庫)憂鬱なハスビーン (講談社文庫)
心地よい読了感。呆れるほどの正しさに辟易してしまったり、人と関わること自体が苦手だったりするんだけれど、自分自身もあっけないほどに弱くて、知らないうちに自分以外に敵対心を向けてしまう。そのうちに自分をどこに落ち着けたらいいかも分からなくなってしまって。すきなお話でした。
読了日:04月15日 著者:朝比奈 あすか
暇と退屈の倫理学暇と退屈の倫理学
目次を見れば分かるように多くの視点が本書には詰まっている。消費を促す資本主義批判から始まり、パスカルラッセル、マルクス、ユクスキュル、ハイデガーなどの思想を繋ぎ、結論へと導いている。それは狭義の哲学の領域に留まらず、経済的な視点や、更には考古学的な観点で一万年前に起こった定住革命の話も取り入れている。語り口も柔らかく、一般読者を対象とした論調で進められているのでこの機会に思想書に慣れていない人にも読んで欲しい。現代に蔓延してる身近なことへの何らかの示唆が得られるに違いない。
読了日:04月14日 著者:國分 功一郎
風の歌を聴け (講談社文庫)風の歌を聴け (講談社文庫)
なんでかはよくわからないけれど、ひどく悲しい気分になった。
読了日:04月13日 著者:村上 春樹
スピノザ―「無神論者」は宗教を肯定できるか (シリーズ・哲学のエッセンス)スピノザ―「無神論者」は宗教を肯定できるか (シリーズ・哲学のエッセンス)
一見何を意図しているか分かりづらい『神学・政治論』を当時の社会背景と照らし合わせて、驚くほど明快に解き出している。当時は哲学か宗教かの二択しかなく、スピノザはそこに三択目としてそれらの分離を打ち出した。宗教は真理を語っている必要はなく、それを真理とするのは受け取る人自身である。そのため神学は「敬虔の文法の研究」として哲学から分離されるべきだ。また最高権力への服従=敬虔であるため、法に従っていれば思想言論の自由は守られるべき。無神論者と言われた彼は宗教を真理としてではなくとも正しいこととして受け入れていた。
読了日:04月08日 著者:上野 修
ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書)ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書)
「この私」の独我論から始まり、前期中期後期を概観し、再び独我論の問題に帰る。ウィトゲンシュタインにはこれまで触れたことがなく、本当に入門書として活用させてもらったのだが、じっくりと考えながら読むことで頭に溶け入ってくる印象があった。論理から文法を経て、実践(言語ゲーム)へ移っていく過程はだんだんと周囲のものを飲み込んでいく成長を思わせる。しかしまだ、特に前期の「語りえぬもの」についてなど思考が追い付いていないところも幾つかあったので、本書を皮切りにしてもっとウィトゲンシュタインに触れていこうと思った。
読了日:04月03日 著者:永井 均

2012年4月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター




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