「さよならグッドモーニング」

g 00 d M oRn I N g 斜陽シテ目がまわり超高速度で落下し定点


オーディオの音を抜き取り味見して噎せた入道雲の終わりに


路の傍に落ちてる花を噛み千切り匂いを嗅いだ探索犬B


朝靄の雑踏の隙間駆け抜ける閃光一筋フラッシュバック


蜘蛛の巣が地球をさらいに来るらしい試験は忘れていい雰囲気だ


貪欲にあの子の窓を這う蔦は血管らしく取り払えない


ざらざらと小川に流るる太陽をつまむと白く溶け落ちていく


足元のレールの終わりが見えなくて線路と呼ぶのをやめるとき雨


懺悔という名前の夜になみなみと注がる麦茶は深海の色


天使たれ君が言うから半額で買ってきた羽根のサイズが合わない


眠れないままに出遭えることはないありあまる昼ありあまる星


水のように笑っていたあの日の君はどんな彼方に届いてしまった?


音立てず蝋が垂れるはいやらしい犬の目つきで星雲去りぬ


明日なのに昨日が扉を叩くので栞を挟んで一旦閉じたい


夏は澄まし顔した君を連れ去りて眠らぬ花を胸に抱きぬ


箱庭に点滴繋がれ晴天を奪われながらも手を振り返した


階段を昇りきらないようにするふたりのことは誰も知らない


夜になると羽が生えると嘘をつく君は白さを夢見たままで