「錠剤の夢」
目の泳ぐ人たちのつどう昼下がり笑って笑って日を食い潰せ
雨音に光らせた刃物残響し 街 風 ぼくらのインターネット
僕のたなとすはすべてを壊すのだ虫は潰れるし約束も破る
鮮やかに他人の弱さを責めたので空と会話がよくできました
愛の足りない人たちが嘆きだし風俗から消す習わしの日々
喫煙をやめなよと人にいう前にそれを善意と呼ぶのはやめなよ
「月が綺麗」あなたが言ってくれたのでもういい知るか月など朽ちろ
飽きるほど多くの言葉を費やして得た部屋は壁だらけに見える
思いだしたように鍵かけゆるやかに溶けたい白い抱きたい苦い
適所への過程で鮮度は失せるから迷宮論的不安のままで
晴れ時々曇りなんて言わないで傘を忘れたことはないから
見失い星を探して疲れ果て、鍵のように降る錠剤を見る